物件探しの基本は、優先順位を決めること
賃貸物件を探すには、さまざまな条件があります。しかしながら、すべての希望条件を完全に満たす物件は見つけられないと考えたほうが良いでしょう。そのなかで満足度の高い物件を見つけるためには、自分にとっての優先順位をはっきりと確認しておくことが大切です。
賃貸物件を探す条件の一例
- 家賃
- 立地・エリア・通勤通学時間・駅までの距離
- 間取り・広さ・設備
- 住環境・周辺施設
- 治安・セキュリティ・防音
例えば、“家賃が多少高くなっても通勤時間を短縮したい”、“駅から少し離れても間取りの広い物件に住みたい”など、譲れないポイントと妥協しても良い条件を考えます。
また、“通勤時間は◯分まで”、“家賃は◯万円まで”と、許容範囲をできるだけ具体的な数値で書き出してみましょう。
不動産会社でたくさんの物件情報を見ていると、どれも魅力的に見えてきたり、あるいは面倒に感じてきたりして、冷静に選べなくなることがあります。
“よく分からないけど、おすすめされるままに契約してしまった”という事態は避けたいものです。事前に優先順位をきちんと整理しておけば、落ち着いて物件を選ぶための手助けになるでしょう。
ネットを活用して事前に情報収集
住みたいエリアは、事前に情報収集しておきましょう。もちろん実際に足を運んだり物件を内覧したりしてみないと分からないこともありますが、ある程度の情報はネットで確認できます。病院や公共施設、スーパーやコンビニはどこにあるのかは最低限確認したいポイントです。
賃貸物件探しでどんな失敗が考えられる?
気に入った住まいでも、予算オーバーの家賃は危険
“家賃は予算オーバーだけど、とっても素敵な物件を見つけた”
そんな時は、あわてて契約せず、冷静に考え直しましょう。
家賃が家計を圧迫して、結局引越しせざるを得なくなる可能性もあります。家賃の支払いは毎月のことなので、無理のない範囲の物件を選びましょう。一般的に収入の3分の1までが家賃の目安と言われています。
また、家賃に加えて毎月支払う費用が管理費です。家賃だけではなく管理費の合計金額をよく確認しておきましょう。
駅からの所要時間は正確か確認
物件情報を見ると、“駅から徒歩◯分”という表示を目にします。この表示は不動産業界で定められた“1分=80m”という基準によって、道のりから単純に算出されたものです。そのため、実際はどれくらいかかるのか、物件から駅まで自分の足で歩いて確認した方が良いでしょう。坂道や階段・たくさんの信号・なかなか遮断器が上がらない“開かずの踏切”などの要因によって、移動に大幅な時間がかかるケースもあります。
おしゃれだけど住みにくい物件
せっかく借りるのなら、おしゃれなデザイナーズ物件に住みたいと思う人も多いのではないでしょうか。しかし、デザイナーズ物件のなかには、暮らしやすさを犠牲にしている住宅もあるので注意しましょう。
例としては、収納が少なく物をしまいきれない、トイレやお風呂がガラス張りで友人を招きにくい、などのケースがあります。
また、ロフト付き物件は天井が高く、冷暖房の効率が悪い傾向があります。
住み始めてから後悔することのないよう、物件の特徴をよく確認しておきましょう。
周囲と生活スタイルが違いすぎないほうがいい
周囲の世帯と生活スタイルが違うことで、生活に不便を感じるケースもあります。
例えば、赤ちゃんの泣き声が周囲に迷惑を掛けるのではと気がかりなら、ファミリー向け物件がおすすめです。
子どもがいる世帯が多い物件や地域であれば、ある程度の騒音はお互い様と考えることができるからです。
都市部に近いワンルームや1DKの物件は単身者、広めの1LDKは新婚さん、公園や公共施設が近く2LDK以上の物件はファミリー層に人気、といった傾向があります。物件探しの際、どのような入居者が多いのか不動産会社に尋ねると良いでしょう。
昼と夜で雰囲気が変わる街もある
昼と夜で雰囲気が大きく異なる街もあります。
例えば、昼間は賑わいがあるエリアでも、夕方以降は人通りが少なく寂しい雰囲気になるかもしれません。
逆に、居酒屋の多いエリアでは昼間は静かな雰囲気で、夜になると騒がしくなる傾向があります。
“昼間の街を見て気に入ったのに、住み始めたら雰囲気が違った”という失敗をしないために、昼と夜の両方、現地に足を運んで確認するのがおすすめです。
ライフスタイルに合った物件を見つけよう
住まいの条件で何を優先するべきかということは、それぞれのライフスタイルによって異なります。例えば、平日・休日ともに出掛けていることが多く、家にいる時間が少ない人であれば、陽あたりが悪くてもそれほど気にならないかもしれません。家にいる時間が長い人であれば、周辺環境や設備を重視するべきでしょう。賃貸物件を探す際は、そこでどんな生活を送るのかを具体的に考えていけば、失敗する可能性を抑えることができます。